あなた、妃をやめて、わたくしの侍女になるといいわ――猫アタマ皇帝の謎を解き、正二品の妃となった莉莎が、まさかの降格!?
不思議な飲み物・珈琲 と持って生まれた「方術クラッシャー」の才能で、皇帝・思遠(スーユアン)の猫アタマ事件を解決した辺境の少女・莉莎(リーシャ)。いまや正二品に叙せられ、めでたく後宮入り。だが、記念に建てられた亭でのお茶会では、すぐ上の位の碧(ビ)賢妃がなぜか不機嫌、ついに「碧家を軽んじている!」と怒りが爆発。何が逆鱗にふれたのかまるでわからない莉莎。後日、碧家の大事な紋様を勝手に真似され軽んじられたと聞いた、と四夫人の筆頭・万(ワン)貴妃に教えてもらっても、莉莎には全く心当たりがない。いっぽう、莉莎の方術クラッシャーの才能は、正規の宮廷方術士の力を軽く超えているのではないか、謎の強い力を持つ者を後宮に置いていいのか、との懸念が持ち上がる。やがて、星(シン)帝国初代皇帝の座を巡る碧国王と莉莎の先祖に当たる方術士との王位乗っ取り未遂事件の歴史が掘り起こされ、莉莎と思遠は裏がありそうだと調査を開始することに。そんななか因縁の旧碧国で冬至の儀式が行われ、皇帝夫妻ら宮廷メンバーの大移動が始まることに。連れていってほしいと夫妻に懇願する莉莎だったが、いかんせん碧賢妃も同行するとのこと。後宮での莉莎の立場が危ぶまれることになりかねない。思遠に知恵を求められた皇后の悠然(ヨウラン)は、「あなた、妃をやめて、わたくしの侍女になるといいわ」とにっこり。戦略的降格で侍女に身をやつした莉莎、異郷の地で潜入捜査がはじまる!?