10代のうちは、国語にも古典にもまったく興味が持てなかった著者が、大人になったある日、
「まいて雁(かり)などの つらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。」
という、『枕草子』の一節を見てふと心をつかまれた。
「ああ、『エモい』ってことか」
秋の夕暮れを見て、
冬の朝の寒さに震えて、
春の朝焼けの景色を見て、
夏の夜に雨音を聴いて、
清少納言が感じた「いとをかし」。
それは「まじエモい。」だったのだ。
*
本書は、枕草子、万葉集、古今和歌集、徒然草……などに綴られた古の言葉たちを、「いまを生きる私たちの感覚」に合わせて“エモ訳“した上で、超美麗なイラストによって視覚化した新感覚エッセイ。
ページをめくるたびに、先人たちが作品に込めた「エモパワー」を強烈に感じながら、切なくなったり、勇気がわいてきたり、なんともいえない胸いっぱいな気持ちになれる本です。