「オレと婚約してくれないか」
「――――へ?」
聖女の専属メイドとなったカトレアは、仕えるべき主人がまだ眠っている部屋の前で、憧れの騎士――ゼノイスに婚約を申し込まれる。
平民出身であるカトレアにとって、同じく平民の出でありながらもその実力を認められ、爵位を授かり、第二皇子殿下の専属騎士となったゼノイスはまさに憧れの存在であった。
そんな彼からの突然の申し出に困惑しながらも、きっと何か事情があるのだろうと婚約を承諾したカトレア。
決して軽い気持ちで結んだ婚約ではなかったが、ただの平民メイドであったカトレアには想像もできないほどに運命が大きく動きだすことに――。
呪われた第二皇子に忠誠を誓った近衛騎士ゼノイスと、その皇子を癒せる聖女に仕えるメイドのカトレア。
どんなピンチでも互いに主人を優先しなければならない、強い心を持った二人の両片想い恋愛譚。
『聖女付きメイドは憧れの騎士に溺愛される(4)』には「三章 巻き込まれたメイド」(後半)~「四章 騎士の選択」(前半)までを収録