振り飛車の極意はさばきにある。だが、それだけでは勝てない―
本書は「さばきのアーティスト」こと久保利明九段による三間飛車の実戦集です。
序文「私の三間飛車」は三間飛車講座になっており、久保振り飛車の原点から対居飛車穴熊の課題、そして先後別に見た三間飛車の現状などを解説しています。
「第1部 自戦記編」は12局。▲2八銀型に組んだ「記念碑的一局」から始まり、ノーマル三間や石田流の戦いを掲載しました。そこにはさばきの極意や根性の粘りなど、振り飛車を指す上で必要なものが、すべて詰まっています。
「第2部 棋譜解説編」は39局。こちらは大石直嗣七段が久保九段の名局を解説しています。
講座と実戦51局。じっくり読んで、振り飛車の極意を会得していただきたいと思います。
序 文 私の三間飛車 (原点から最新形まで)
第1部 自戦記編 第1局~第12局
第2部 解説編 第13局~第51局 解説・大石直嗣七段
久保利明 (くぼ としあき)
1975年8月27日生まれ。兵庫県加古川市の出身。
4歳のとき、のちの師匠となる淡路仁茂九段に王将1枚(19枚落ち)から将棋を教わる。
1986年、6級で奨励会入会。
1993年4月、四段昇段。
2003年4月、順位戦でA級昇級により八段昇段。
2009年3月、第34期棋王戦で佐藤康光棋王を破り、初タイトル獲得(3連覇)。
2010年3月、第59期王将戦で羽生善治王将を破り、二冠となる(2連覇)。
2010年3月、第35期棋王戦で防衛を果たし、タイトル獲得3期により九段昇段。
2017年3月、第66期王将戦で郷田真隆王将を破り、王将に復位(2連覇)。
美濃囲いをこよなく愛する振り飛車党で、「さばきのアーティスト」の異名を持つ。
終盤で苦しくなった際には「粘りのアーティスト」という、裏の顔をのぞかせることも。
タイトル戦登場は14回、獲得は棋王3期、王将4期の計7期。棋戦優勝は6回。
『久保利明の四間飛車』『最強四間飛車マニュアル 急戦編』(日本将棋連盟)、『久保流 最強先手振り飛車』『久保の石田流』『久保の中飛車』(マイナビ出版)など、著書多数。