矢倉は昔から数多の棋士に愛用されている戦法です。
しかし、数年前に流行した後手の急戦策によって先手矢倉が下火になった時期もありました。
それでも現在は対策が進んで、矢倉は復調傾向にあります。
以前の急戦は、ある程度組みあがってから後手が攻勢を取るという展開が多かったのですが、現在は駒組みを省いて最短手順で仕掛けを狙う指し方が増えています。攻めつぶされないためには、どう指すのがよいでしょうか。
序章では、現代の先手矢倉の事情と、後手の急戦策の概要が解説されています。
第1章では、後手早繰り銀への対策について、先手の形を細分化しながらまとめています。
第2章・3章は、後手が△7三桂の形を作り、桂を主体とした速攻を狙う指し方への対応策です。
桂を軸とした急戦策は最近よく見られますが、矢倉戦での攻防はどうなるのでしょうか。
第4章では、居角左美濃急戦を紹介します。攻撃力+堅さが魅力的で、先手矢倉を指す上での難敵と言えるでしょう。
4章と5章では、前例が少ないため、筆者独自の研究を中心としてまとめられています。
第6章は、講座を踏まえた実戦編です。
本書では、後手急戦に対して専守防衛に回るのではなく、反撃しながら積極的に優位に立つ指し方を主に解説しています。
ぜひ「殴り合って勝つ」面白さを味わってください。