本書は囲碁AIの手を解説する本ではありません。
AIの学習法を参考に、それを人間に置き換えた上達法を提案するものです。
概要は、「大局観」と「着手の価値判断」の二つを伸ばせば棋力アップにつながるというもの。
20代でピークを迎える「読みの力」を鍛えることよりも、アマチュアにとっては効果が高いと言います。
例えば、詰碁でも「読みを鍛える」学習法よりも、たくさんの手筋を見ることで「いい形を知り、着手判断に生かせる」ように学習するとより効果が高いのです。
様々な練習問題を解くことで「こういう考え方があるのか」「この力を伸ばせばいいのか」という気づきを得ることができます。
問題は点数制で自分のタイプを知ることができます。タイプ別にオススメの上達法も載せているので、是非参考にしてください。
著者は藤澤一就八段。本木克弥八段や上野愛咲美女流棋聖をはじめとする、新鋭若手棋士を輩出しています。
藤澤八段は「楽しめる人が強くなれる」といい、指導では、生徒が「いかに楽しめるか」という点を強くしているそうです。
本書にもそれが生かされており、楽しみつつ興味を持ち続けられるような仕組みがたくさんあります。
棋力向上を目指す方は是非手に取ってみてください。