駒得のテクニック満載!
「駒得は裏切らない」は森下卓九段の有名な言葉ですが、将棋で有利になる指標としてもっとわかりやすいのが駒を得することです。
相手の駒をタダで取れればもちろん駒得になりますが、銀と角の交換や、桂馬と金の交換など、自分の価値の低い駒と相手の価値の高い駒が交換になれば、それも駒得になります。
将棋にはいろいろな勝ち方がありますが、駒得に駒得を重ねて、徐々に戦力差を広げて勝つ方法は最も安全で基本的な勝ち方と言えます。
もちろん、終盤戦は駒の損得より速度が重要になることもありますが、ベースとなる駒得のテクニックは知っておいて損はありません。
本書はそんな駒得のテクニックを「駒取り坊主」のニックネームで知られる長沼洋七段が解説するものです。汎用性の高い局面を次の一手形式で出題し、解説しています。
紹介されている200の手筋をマスターすれば、駒得の手筋に関しては完璧です。
ぜひ実戦で相手のスキを見逃さず、駒得を狙ってください。
●著者
長沼 洋(ながぬま・ひろし)
1965年2月8日生まれ、岐阜県出身
1979年10月、5級で田中魁秀九段門
1981年、初段
1986年7月、四段
2006年1月、七段
矢倉や中飛車を得意とするオールラウンダー。駒得を基調とした実利優先・受けの棋風から「駒取り坊主」の異名を持つ。
1985年2月、第7回若駒戦優勝。
2002年3月、第60期順位戦でC級1組へ。
2008年、第57回NHK杯戦でベスト4進出。
著書に『「駒取り坊主」長沼の中・終盤で差をつける 力戦次の一手205』(マイナビ出版)がある。