先手になれば使える新・振り飛車戦法
「ある対局の前日、作戦に苦慮していました。夜、布団に入ってからもあれこれ考えていたのですが、そんなときふと『初手▲7八飛』を思いついたのです」(まえがきより)
先手番になり、最初の1手を指しただけで使える戦法。それが「初手▲7八飛戦法」です。
この画期的な作戦は門倉啓太五段が編み出したものですが、はじめは門倉五段以外に使う棋士はいませんでした。そこから作戦の優秀性が徐々に認知されるに連れて、久保利明王将をはじめとするトップ棋士も採用するようになり、今では振り飛車党の一つの有力な選択肢として定着しています。
しかし、▲7六歩~▲7八飛とするのに比べて、先に▲7八飛とするメリットはどこにあるのでしょうか?
初手▲7八飛の将棋をよく見るようになったなぁと思いつつ、その真意はよくわからない、という方は多いのではないでしょうか?
門倉五段は初手▲7八飛には3つのメリットがあるといいます。
(1)角道を開けたまま戦えること
(2)相振り飛車で主導権を握れること
(3)絶対に早石田ができること
以上です。
すべてに共通することは決して守勢にならず、常に積極的に戦えるということです。
では、初手に▲7八飛とするとなぜこのような3つのメリットが生じるのでしょうか?
それを詳しく解説したのが本書です。
この本で初手▲7八飛戦法をマスターして、ぜひ相手をアッと言わせてください。
◆著者:
門倉啓太(かどくら・けいた)
1987年6月3日生まれ。東京都豊島区出身
2000年9月、6級で石田和雄九段門
2011年4月1日 四段
2016年11月17日 五段
奨励会三段リーグ在籍時に、NHK杯テレビ将棋トーナメントで記録・秒読み係を務める。新戦法を作ることを目標に、初手▲7八飛や2手目△3二飛と指す、意欲的な振り飛車党。2016年度第75期順位戦でC級1組に昇級。
著書に「角交換四間飛車 最新ガイド」「角交換四間飛車 徹底ガイド」「振り飛車はどこに行くのか? プロが教える全振り飛車の定跡最先端」(マイナビ出版)がある。