全振り飛車を居飛穴で撃破せよ!
「振り飛車には居飛車穴熊」。
これが居飛車党にとっての対抗形の鉄則です。相手が飛車を振ったらとにかく一目散に玉を囲い、ガチガチにした後でドカン。自玉に王手や詰めろが掛からないのをいいことに、大駒を叩き切り、一手差でゴール。これが勝利の方程式でした。
それが、ここ最近プロ間でノーマル振り飛車が復活傾向にあります。
三間飛車のトマホーク、四間飛車の藤井システムや銀冠から玉頭の厚みを生かす指し方、ゴキゲン中飛車など、居飛車穴熊に対する振り飛車の有力策がここ数年で次々に生み出されました。
しかし、やはり「振り飛車には居飛車穴熊」で行きたいのです。
なぜなら居飛車穴熊は将棋で考えうる最も堅い囲いであり、最も勝ちやすい囲いだから。一手のミスも許されない急戦より、多少悪くなってもリカバリーの効く穴熊はまさにアマチュアにうってつけの戦法といえるでしょう。
本書はそんな居飛車党の願いを叶える一冊です。
第1章 対向かい飛車
第2章 対三間飛車
第3章 対四間飛車
第4章 中飛車
すべての振り飛車を居飛車穴熊で退治します。扱う戦型も多彩で、例えば、向かい飛車の章では
第1節 △3二金・8二玉型
第2節 △3二金・7二玉型
第3節 △3二銀型
第4節 △3一銀型
第5節 △4五歩型
第6節 △5二金左型
第7節 △3五歩型
三間飛車の章では
第1節 △4三銀型
第2節 △6四銀型石田流
第3節 トマホーク
第4節 真部流
第5節 コーヤン流
振り飛車のあらゆる戦型を網羅しています。
また、第5章では最近流行の「3手目▲2五歩型」を解説しています。これにて「対振りなんでも居飛車穴熊」は完成するのです。
本書を読んで、対振り飛車には自信を持って穴熊を目指してください。
◆著者
北島忠雄(きたじま・ただお)
昭和41年1月4日、東京都の出身。
55年11月、6級で(故)関根茂九段門。
平成7年4月、四段。
26年8月、七段。
平成15年~ 17年、23年~ 25年、将棋連盟理事を務める。
著書に「初級者 将棋上達の方程式 手筋の公式」(日本将棋連盟)、「解明!相穴熊の最先端」、「乱戦!相横歩取り」、「すぐに使える! 端の絶対手筋」(マイナビ出版)がある。