港町署刑事課に配属になった新人桜木優美子巡査は、毎日正義のために管轄区域で起こる事件で悪と戦う苛烈な日々を過ごしていた。
彼女はその日も、仕事に疲れた体を引きずって署から自分のアパートに向かう帰路についていた。
秋、夕闇の迫る何時も歩きなれた商店街の片隅に、その日に限ってぽつりと店を出している風変わりな易者が、桜木を呼び止めた。
易者は彼女に今日、これから彼女の身の上に降り掛かる悲劇的な厄災について予言を与えようとしていた。
日頃から几帳面で、職業上の問題以外で人に恨みを買うことなど一切なく、まっすぐに生きてきた桜木の身の上に降りかかってきた最悪の出来事とは一体何か……?
短編シリーズの記念すべき第一作、ここに登場。