内藤國雄棋士人生56年の集大成
自在流と呼ばれる華麗な棋風で活躍した大棋士、内藤國雄。
タイトル戦登場13回。獲得は王位2、棋聖2の合計4期。棋戦優勝は13回。空中戦法で升田幸三賞受賞。通算1132勝1000敗達成、そして2015年3月、引退。
詰将棋作家としても知られ、「攻方実戦初形」で看寿賞特別賞を受賞。
本書には、内藤九段が棋士人生56年のうちに残した名局の自戦解説(30局)に加え、観戦記を収録しています。
升田幸三九段戦 憧れの人との初対局
大山康晴王位戦 生涯最高の一着「▲3六歩」
中原誠棋聖戦 初タイトル獲得の一局
加藤一二三三段戦 前代未聞の一局
谷川浩司戦 光速の寄せの片鱗を見る
羽生善治棋王戦 予定の順に誤算
など、将棋史に残る名局から知られざる加藤九段(当時三段)、谷川九段(当時9歳)との駒落ち戦まで、幅広く収録しています。
しかし、内藤九段の才能は指し将棋だけにとどまるものではありません。
本書では、内藤九段作の珠玉の詰将棋、必至、どっちが勝ち(各10題)、エッセイを収録しています。
詰将棋編では有名な「ベン・ハー」「玉方実戦初形」「攻方実戦初形」を本人の解説付きで読むことができます。
まさに「内藤國雄のすべて」というタイトルにふさわしい内容で、将棋ファン必携の記念碑的一冊です。