●介護される人へのやさしい食事作りとは?
介護食を作る上で大切なことは、低栄養にならないことや、なんといっても、のどにつまらせない、むせさせないことが重要です。そのための食材選びや調理方法の選択をしなければなりません。このことをふまえた食事作りは、介護される人への気遣いです。しかし、それだけに気を付けていくだけで本当に良いのでしょうか?
介護される人へのやさしい食事作りにおいて、一緒に食べる喜びや、食事を通しての心のふれ合いができることが、一番大事なのではないでしょうか?できるだけ介護食と分けずに、介護する人も同じものを食べて、その日の食事の感想を言い合える時間こそが、介護されている人も安心し、そして生きていて良かったと思えるのだと思います。食事を通して、いかにお互いに良かったと思えるか?本書では、ここを大切にした介護食作りの提案をいたします。
●介護者が楽しくラクしてできる食事の作り方の基本
介護食というと、やわらかく煮なければ、したゆでしてから炒めなければ、などと手間がかかるイメージがありますが、決してそうではありません。最近は様々な便利な調理器具が販売されていますから、その器具を使ったり、一工夫することで簡単に介護食ができるものもたくさんあります。また、時間がある時に、冷凍保存しておいた食材を使い、日ごろは短縮しておかずを作ることもできます。
本書での考え方の基本は、
(1)調理器具を使いこなす・工夫する
(2)同時に作る
(3)介護される人と一緒に作る
(4)介護食と分けずに家族で一緒に同じものを食べる
(5)季節や行事を楽しむ
の5つの考え方で、楽しくラクして介護食を作る提案をしています。