かつて、東京大学に第二工学部(略称・二工(にこう))が存在した。戦時中の1942年4月1日に開学し、1951年3月31日に閉学となった、わずか9年間の“幻の学部”である。そして、閉学から30年後の1980年代、二工出身者が次々に著名企業のトップや重役に名を連ねた。日立製作所、三井造船、三菱電機、ソニー、富士通、日産自動車、マツダ、鹿島建設、三菱商事……。多くの人材を輩出し、戦時中には最新兵器の開発に携わり、戦後は「戦犯学部」と蔑称された。その知られざる実態とともに、戦後日本経済の歩みを追う迫真のノンフィクション!