究極の居飛車研究、ここにあり!
本書は研究家として名高い三浦弘行九段と阿部健治郎五段の二人が25のテーマ局面に対し、研究や見解をぶつけ、一定の結論を導き出したものです。居飛車党の2人ですが、対抗形も10テーマにわたり取り上げており、振り飛車党にとっても参考になる1冊です。
本書で学べるのは最先端の研究手順だけではありません。阿部五段が「勝ちやすさ、負けにくさといった数値化できない大局観が磨かれ、私自身大いに勉強になった」(まえがきより)と言うように、定跡書では学べない大局観も大いに磨かれるはずです。
例えば居飛車穴熊対四間飛車の章では、
「居飛車持ちですが持ち時間が短いと指す気はしません」(阿部五段)
「時間が短いとかなり逆転されそうだよね」(三浦九段)
といった意外な発言もあり、目を通すだけでも多くの発見があるはずです。
どんどん読み進めていただいても構いませんが、本書では、三浦九段と阿部五段が実際に検討をするのと同じように、最新の研究手順が目まぐるしく展開されます。気になる変化はぜひ盤に並べて、最高峰の居飛車研究をじっくり堪能していただければ幸いです。