鍵は“香り”にあり!? 音楽を聴くと踊りだす奇病に罹った化け猫と、人に恋してしまった猫又の運命やいかに!? 笑って泣ける、珠玉のあやかし短編集 ――けして外に出してはならぬモノ、それは――。香木商八角堂の主・勘吉が騒動を起こす。病を癒やすといわれる希少な香木をゆずれ、と問屋に詰め寄り、番頭に怪我を負わせたのだ。騒ぎに居合わせた神社の女房で式神遣いの咲耶が、夫の宗高とともに話を聞くと、最愛の妻が倒れ命も危うい状況とのこと。八角堂に赴いた咲耶が目にしたのは、禍々しい気配だった…… (「踊る猫又」より)。