本書はA級在位のまま29歳の若さで夭逝した村山聖九段の全対局を2巻に分けて収録する『村山聖全局集』の下巻です。
下巻に収録したのは1992年度から1998年度の対局で、タイトル挑戦、A級昇級、そして伝説の死闘が掲載されています。
まえがきは村山九段を支え続けた、師匠の森信雄八段。
「第1部 村山聖の声」には、遺されている自戦記やインタビュー、講座やエッセイなどを掲載。「怪童丸」とも呼ばれた村山聖九段の肉声が現代によみがえります。
「第2部 村山聖の戦い」は村山将棋の解説です。村山九段は順位戦でA級に昇り、王将戦ではタイトル挑戦を決めました。丸山忠久との深夜まで戦った伝説の順位戦、強敵を相手に勝ち抜いた王将リーグ、そして絶局となった木村一基戦など28局を収録。病を抱えながらも決して諦めることのなかった村山将棋の魅力に迫ります。
「第3部 村山聖の棋譜」は第1部と第2部で取り上げなかった将棋を、千日手や持将棋局、非公式戦も含めて1局1ページで全局掲載しました。「棋士の魂は棋譜に宿る」とも言います。村山聖が遺した魂の棋譜をご覧になっていただきたいと思います。