易者にして隠密同心、双つの顔を持つ江戸の二枚目は 何でもお見通し! 泣けて笑える人情時代推理の傑作! 「夫が髷(まげ)に白粉(おしろい)をつけてきたり、隠れて踊りの稽古をしたりしているんです」易者・鬼堂民斎(きどう・みんさい)は旗本の奥方の相談を受けていた。芸者絡みの浮気とにらんだ民斎は、画数占いで仰天した。夫とは南町奉行・矢部駿河守定謙(やべ・するがのかみ・さだのり)だったのだ。真面目一徹の駿河守がなぜ? そして夕刻、白塗りの若衆の割腹死体が発見され、彼の脇差には“やべ様命”と書かれてあった……(〈お奉行を占う〉)。人気シリーズ全5巻一挙電子化、珍奇満載の第4弾!