時は平安―――――――
稀代の陰陽師・安倍晴明の邸に居候しながら、東宮である皇子・南雲に仕える主人公の葉胡桃萌木(はぐるみもえぎ)。
その正体は、平成の世に生きる普通の女の子。
高等専門学校を卒業し、実家である装束店「葉胡桃商店」で働く彼女は、「修行」も兼ねた「裏稼業」をするために、時代(とき)を超えて平安時代まで赴いているのである。
その「裏稼業」というのが、東宮と彼にかかわる人々の「衣服」――――すなわち、装束の着こなし方等の世話をするという、「着付け師」としての仕事であった。
二つの時代を行き来しながら着付け師として修業を続ける最中、萌木や晴明の元に吉備国の巫女・竜胆が現れる。
裏稼業を初めてから二度目の春を迎え、二人の関係も徐々に変化をし始めていた。
何もかもが順風満帆のように見られたが、都を滅ぼそうと企てる賀茂道葦らによる計画が動き出し、そこで萌木は衝撃の事実を知ることとなる。
お仕事×和風ファンタジー小説の完結編、ついに解禁!!