あることから、おれはCIAの深い怨みを買う破目に陥った。CIA対中国諜報機関の抗争に巻きこまれ、在日米軍基地内の生物化学兵器研究所を丸焼きにしてしまったのだ。以来、おれは逃亡につぐ逃亡を重ね、あるときは数十メーターの地底に生き埋めにされ、一月ほど前には、北海道知床の山奥で、プロの殺し屋に剥製にされかかり、いままた謎の特務工作員に追われている。おれの名は、犬神明、職業はフリーのルポライター。おれはふつうの人間ではない。満月のときは超常能力を発揮する不死身の男。おれは狼人間だ……。平井和正“アダルト・ウルフガイ”シリーズ第2作のノン・ノベル版が、生頼範義の表紙画&挿絵で復刻!