あらすじ「名訳」を超えた完全現代語訳。林望源氏物語・全54帖――その第42帖。源氏没後6、7年。薫14歳。光源氏亡き後、その姿や声望を受け継ぐ人は見当たらない。が、今上帝の三の宮(匂宮)と女三の宮腹の若君(薫)は美しいと評判であった。色好みの匂宮。自分の出生の秘密に悩む薫。人はこの二人を「匂兵部卿」「薫中将」と喧伝する。