いま新たに、銀塩(フィルム)カメラが人気を集めている――。
手作業でフィルムを装填し、一枚一枚、シャッターを押し、またフィルムを巻き上げる。今度は撮り終えたフィルムを持って、酢酸の匂いの立ち込める暗室に入って、手を濡らしてネガを作成し、現像液の中にある印画紙からゆらゆらと初めて像が浮かび上がる瞬間に、目を凝らす…。
そこには、簡単で仕上がりもきれいで、その場で確認できてSNSで共有できる、スマートフォンとは、まったく違った、一連の甘美な「写真」体験がそこにある。
「銀塩カメラって、面白い!」
長年にわたって、銀塩カメラの魅力を数々の著作で伝えてきた、写真家・赤城耕一の思いはそこに尽きる。
銀塩カメラの世界をこよなく愛し、日々、名機に惑い、名玉レンズに溺れる著者が、今こそ欲しい、63機の憧れの銀塩カメラと、48本の魔法のレンズの魅力をとことん紹介する。