新たなプライバシー強化技術の「ゼロ知識証明」
その基礎とビジネスの実践的な導入方法を徹底解説!
本書は、「ゼロ知識証明」をビジネスに活用するための実践書である。
情報化社会の進展により、多くの情報が電子データとして保存され、
データの活用により新しい価値が生まれるようになった。
その一方、企業によって個人情報が本人の意図しない方法で使われるという
プライバシーの懸念があり、欧州におけるEU一般データ保護規則(GDPR)や、
わが国における個人情報保護法などにより、個人情報が法的に保護され、
企業はその活用に関して規制を受けている。
これらを調整し、プライバシーを保護しながらデータ活用を行う技術は
「プライバシー強化技術」と総称され、機密性が高い情報を扱う業界での
活用に向けて研究が進められている。
「ゼロ知識証明」は、証明したい情報を明かすことなく、その情報に関する
事項を証明することができる技術であり、プライバシー強化技術の1つとして
紹介されることがある。しかし、ゼロ知識証明は、プライバシーの保護以外にも、
コンピュータが行った計算を高速に検算し、コンピュータの計算の信頼性を
確保することなどにも利用できる。
本書は、ゼロ知識証明はもとより、暗号理論やシステム開発についても
全く知らない方を対象にした入門書である。ゼロ知識証明は暗号理論を用いるため、
その内容をすべて理解するには暗号理論の理解が必要であるが、可能な限り
数式を使用せず、具体例や図表を用いることにより、ゼロ知識証明や暗号理論を
知らなくてもゼロ知識証明のイメージを理解できるように記載している。
※本電子書籍は同名オンデマンド出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
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