“闇の刺客”と異名をとり大手ゼネコン総務課のやり手として恐れられた三崎一郎は、バブル崩壊のあおりをうけてリストラ対象となって退社する。屈辱の日々を送る彼のもとへ、大手鉄鋼会社の機密書類を盗み出してほしいという依頼が持ち込まれた。三崎は二千万円の報酬につられ、裏世界の人脈を駆使して仕事を成功させる。一匹狼のコンサルタントとなり、政財界のスキャンダルを多額の金に換えていく三崎の次の標的は……。連作短篇サスペンス。
●広山義慶(ひろやま・よしのり)
1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。