事故で入院した姉のピンチヒッターで、瀬尾大介は占い師のバイトを始めた。いやいやながら女装をし、最初はたどたどしくタロットカードを操る大介だったが、少しずつ客の信用を得ていく。ところが、ある女性客の秘密を知ることになった。見過ごせばその女性客は間違いなく不幸になる……。大介の決断は? そして彼は、依頼人の背中を押すことができるのか?
長編青春ミステリー。電子版あとがきを追加収録。
●神野オキナ(かみの・おきな)
1970年沖縄生まれ、在住。1995年別名義で作家活動を開始。1999年神野オキナに改名、同年の『かがみのうた』でファミ通えんため大賞小説部門奨励賞を受賞。2003年から刊行された『あそびにいくヨ!』シリーズ(MF文庫)は、漫画化、アニメ化されて本編全20巻、外伝4巻の代表作となる。2018年の『カミカゼの邦』(徳間書店)で大藪春彦賞候補に。ライトノベルを中心に著書多数。