十五年前の夏に失踪した少年が、ある予言者によって奇跡的に発見された! 推理作家の吉本紀子は週刊誌の依頼を受け、石川県の小さな町で起きたこの不思議な事件を取材することになったが、彼女が能登へ旅立った目的は別にあった。それは、数年前に突如として文壇から姿を消した先輩作家の消息を訪ねて、古都・金沢を探索することだった。
美貌の推理作家・吉本紀子と警視庁広域捜査官・上島警部のコンビが活躍する旅情ミステリ小説。
●石川真介(いしかわ・しんすけ)
1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。主人公は推理作家・吉本紀子と広域捜査官・上島警部。作品は『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。