あらすじ人間存在を心身の相対的な枠組みのなかで総合的に理解しようとしたC・G・ユングの考え方をもとに、著者自身の臨床観を簡潔に紹介し、さらにはユング派精神療法の真髄とも言える夢分析の実践事例のプロセスを丹念にたどった貴重な一書。演奏時の手の震えを主訴として訪れたヴィオラ奏者が、夢を語るなかで自身に起こっていることの意味に気づき、しだいに薬の助けなしに演奏ができるようになっていく様子が、生き生きと描かれる。