あらすじ「捨聖(すてひじり)」とも「遊行(ゆぎょう)上人(しょうにん)」ともいわれる一遍。彼が生きた鎌倉時代は激動する不安な社会であったことから、極楽浄土に生まれ変わることを願う阿弥陀信仰が盛んだった。一遍は16年間全国を旅しながら、衣食住にしがみついて念仏に集中できない人々に、一切の執着心を捨てよと諭した。「捨てる思想」を体現した一遍の言葉を『一遍聖絵』『一遍上人語録』などから読み解く。