その男と少年にしか見えない巨鳥“モア”、街じゅうで飼われるようになった“ドードー”、ある日突然大人たちが鰐になってしまった街、奇妙な“バンヤン・ツリー”と暮らす家族、etc。いつもの街の、いつもの通り。少しばかり目をこらして見れば、不思議なものの姿が見えてくる……。
幻想SFの名作が、新井苑子の表紙・挿し絵とともに奇跡の復刊!
●河野典生(こうの・てんせい)
1935年1月高知県生まれ。詩作、劇作のかたわら1960年『陽光の下、若者は死ぬ』でデビュー。1964年『殺意という名の家畜』で推理作家協会賞を受賞。日本のハードボイルド小説の先駆者となる。幻想派SF小説、ジャズ小説など、多彩な執筆分野とジャズのフィーリングを持つ作家として特異な存在。