深刻な金融危機を発端とした企業のリストラ・派遣切りの結果、失業者が増加し、ホームレスの数は急増しています。彼らは、その経緯だけでなく、現在の生活、置き去りにした家族などさまざまな悲しい事情をかかえています。
本書では、著者がホームレスに密着取材。ともに生活し、真摯に話を聞き、彼らを通じて人の生き方・家族愛について見つめ直す人間ドラマをまとめています。
第1章 家族
許してくれた家族たち
最期に伝わった隣人の想い
犬に救われた2つの命
魔がさしてしまった瞬間
世界でいちばん小さい結婚式
車上でつき続けた無限の嘘
逃げた自分に対する後悔
父に逆らい続けて
果たして、30年ぶりの帰宅
第2章 仲間
上野の歴史と共に生きる
不幸の連鎖
脳溢血で潰えた夢
寒波に消えた小さな炎
若き野宿者の気付き
安らかに眠れる場所
第3章 他人
悩める若人の人生相談
ホストの行く末
見かけによらない若者たち
したたかで強い目を持つ人
暴力の代償
DVに耐えかねて
山谷で救われた日
●村田らむ(むらた・らむ)
1972年生まれ。愛知県名古屋市出身。イラストレーター、ライターとしてさまざまな雑誌で活躍する。サブカルチャーやアンダーグラウンド、犯罪などに関する記事を扱うことが多い。特に10年以上続け、もはやライフワークとも言えるホームレスに関するルポは評価が高い。