彼はライオン。鮮やかなオレンジ色の髪をなびかせ、無骨なハンド・キャノンを携えた美貌の少年。そして“虚の世界”を操る、類まれな「反在士」。全銀河を巨大なゲーム盤として、果てなく戦い続ける二大勢力、“紅后”と“白王”によって故郷を滅ぼされた彼は、復讐を誓って火星の地に現れたのだ。しかし宇宙は、超跳躍航法「アリス・ドライブ」の乱用により、ほころび始めていた…。
不朽の名作『反在士の鏡』に、単行本未収録作2篇と書き下ろし1篇を追加して復刊。
さらに今回の電子版では、表紙にオブジェ製作・横山宏、ジオラマ撮影・高瀬ゆうじによる未発表写真を使用した、これぞまさに完全版!
第一部 反在士の鏡
第二部 夢界の虜囚
第三部 虚人の領域
第四部 反在士の帰還
第五部 鏡人たちの都
第六部 反在士の指環
●川又千秋(かわまた・ちあき)
1948年、北海道小樽市生まれ。作家、評論家。慶應義塾大学文学部卒。学生時代よりファン活動を始め、SF専門誌で評論を発表。『火星人先史』で第12回星雲賞を、『幻詩狩り』で第5回日本SF大賞を受賞。他に『ラバウル烈風空戦録』シリーズ(中央公論社)、『亜人戦士』シリーズ(徳間書店)、『創星記』(早川書房)など著書多数。