秋野美海子、24歳。友達は次々にウエディングベルを鳴らす年頃というのに、今の私は結婚どころか、まだ恋すらしていない。高校時代の悪夢のような恋の終わりは、私を、ブラックホールに閉じこめたまま…。
そんな私の毎日に、突然飛び込んできた年下の雄太。そして、故郷でのお見合い話。
失った恋にピリオドを打つこと、恋をすること、そして結婚…。
揺れ動く微妙な想いを描いた純愛小説の名作が、大幅に加筆・修正されて電子書籍で復刊です。
●井上香織(いのうえ・かおり)
東京都生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代には、シンガーソングライターとして、『めざめの刻に』などを発表。またラジオのパーソナリティー、他のアーティストへの作詞の提供も手がける。大学卒業後は、私立高校教師を経て著作活動を続ける。著書に『さよならの向こう側』(KKベストセラーズ)、『蜃気楼の彼方に』(幻冬舎)、『やさしい旋律』(スターツ出版)、『放課後』(講談社)、『25歳の辞表』(徳間書店)などがある。