高度経済成長を支えた昭和のお父さんが、妻や娘に内緒でこっそり楽しんだ“オトナの雑誌”。その片隅にひっそりと掲載されていた「エロ広告」には、あやしくも胸ときめく性商品が並んでいた。溢れる期待に心躍らせ、商品を購入するとがっかり。けれどまた、うっかりとお金を払い込んで……。
本書は、昭和の欲情史をたどる、酔狂極まる学術本である。昭和20年代から50年代にかけての好色広告を多数掲載。扇情的で思わせ振りな文章と、ぼやけた写真が特徴の傑作エロ広告を解説する。また、著者が新規に書き下ろした「電子書籍のあとがき」も収録。
第1編 昭和五十年代の好色広告
エロ広告は“思わせぶりの文学”なのだ
ダッチワイフ幻想
大人のオモチャ総本山
本場モノの甘い罠
愛用者のナマのお声
隣の「アソコ」ちゃんたち ほか
第2編 昭和二十~四十年代の好色広告
エロ広告でお父さんはガンバッた
大仰なる秘技の性典
猟奇さん、いらっしゃい
パンティ大祭
日本語の正しい使い方
熱き迷コピー「青春社」
味わい深き、桃色文句 ほか
番外編 関西ストリップの好色広告
嗚呼、狂乱の関西ストリップ
●唐沢俊一(からさわ・しゅんいち)
1958年、北海道生まれ。作家、カルト物件評論家、コラムニスト。ベストセラー『トンデモ本』シリーズを生んだ「と学会」の創設メンバー。従来の学問体系からこぼれ落ちたB級知識をクローズアップし、多くの読者から支持されている。『古本マニア雑学ノート』(幻冬舎)、『トンデモ怪書録』(光文社)、『笑う雑学』(廣済堂出版)、『裏モノ日記』(アスペクト)、『スコ怖スポット』(ごま書房新社)など著書多数。テレビ・舞台への出演、作・演出など活動は多岐にわたっている。