真人の救けにより〈不変の柱〉から脱出した美姫は、姉・真姫の肉体を借りてよみがえった。真人もどこかで生きているのではないか。そう思いながら真姫として平穏な日々を送る美姫を、再び怪異な事件が襲う。真人のしわざなのか、それとも“エレメンタル”に関係する何かが……。悩み続ける美姫のクラスに、ある日、転校生がやってくる。桂木倫。「おれって超能力者だからさ」平気でそううそぶく彼に、美姫は真人の面影を認め、愕然とする。果たして彼の正体は? 美姫の周囲をうろつく不気味な男たちの目的は? そして過去の事件で知り合った鳥海圭介にも疑惑が……。
熱き恋心と己の宿命に思い悩む少女を描いた伝奇サスペンスSF、第2弾。完結篇。
●六道 慧(りくどう・けい)
東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年、朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。