国際的なコカイン密輸計画〈MBJトライアングル作戦〉が進行中だという情報が入った。検察情報部の捜査によると、計画は完了目前、しかも厚生省の囮捜査官が敵組織に捕らえられているらしい。大量密輸が実行されれば、日本が麻薬禍によって決定的な打撃を受けるのは必至である。人質をとられ、動きを封じられた警視庁は、闇の処刑人・裏刑事の出動を要請するが……。
警察手帳も手錠もないが、殺人許可証を持って過激な捜査を展開する、裏刑事(デカ)・宮島達男。ハードボイルド・バイオレンス小説の名作「裏刑事捜査帳」シリーズ第5弾。
●広山義慶(ひろやま・よしのり)
1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。