ある共通の事件を秘密裏に捜査していた三人の検事が相次いで失踪した。事態の重大さを察知した当局は、裏刑事・宮島達夫に捜査を指令。謎に包まれた事件を解明すべく、宮島は金沢へ向かう。失踪した検事の足跡を追う宮島だが、その行く手には世界をも震撼させる恐るべき陰謀を企む巨悪が立ち塞がっていた……。本名も戸籍も剥奪され、世間の裏側の悪を潰すため闇に放たれる処刑人・裏刑事。「正当防衛」という名の「殺人」だけを武器に、敵を追いつめる影の捜査官の苛烈な戦いを描く。
警察手帳も手錠もないが、殺人許可証を持って過激な捜査を展開する、裏刑事(デカ)・宮島達男。ハードボイルド・バイオレンス小説の名作「裏刑事捜査帳」シリーズ第2弾。
●広山義慶(ひろやま・よしのり)
1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。