フィリピンに隠密偵察に出た百式司偵はロッキードP38とドッグファイトを展開、かろうじて勝利するが、着陸に失敗して乗機を失う。帰還命令を受けた3人の次の任地は、横須賀・追浜飛行場だった。彼らに与えられた指令は、カナリアのごとくまっ黄色に塗られた新型機……十三試艦上爆撃機・彗星のテスト飛行だった。その機を取り囲む人の輪の中心には、連合艦隊司令長官・山本五十六の姿があった。太平洋に飛び立つ彗星を待ち受ける運命は……。
●青山智樹(あおやま・ともき)
1960年、東京都武蔵野市生まれ。学生の頃より同人誌『宇宙塵』に参加。東海大学理学部物理学科卒業後、高等学校に理科教師として勤務。1992年、長編SF『赤き戦火の惑星』(勁文社)で商業デビュー。『合体戦艦「富士山」出撃!』(有楽出版社)、『蒼穹の海鷲』(アスキー)等、シミュレーション戦記を中心に執筆する。その他にも『零戦の操縦』(アスペクト)、『自分でつくるうまい!海軍めし』(経済界)、『世界一わかりやすい放射能の本当の話』(宝島社)等、ミリタリー関連書籍など著書・共著多数。