海上都市オフィールにおける大規模犯罪やテロの犯人は、皆何らかの形で過去の大戦での過酷で理不尽な現実に禍根を残す者達であった。そして、事件を秘密裏に始末する〈手品師(ザ・ジャグル)〉隊員のジェイドたちもまた、それぞれ戦中の重い過去を胸に秘めていた。ジェイドは近隣の報道士キャロルや記録士シオリたちとの束の間の交流に心癒されるが、軌道上国家群の秘密組織〈ワルキューレ〉がこの都市に仕掛ける陰謀も本格化する……。
戦争という狂気の本質に迫る、本格アクションSFシリーズ、第3弾。電子版のために書き下ろされた短篇&あとがきを追加収録!
●榊一郎(さかき・いちろう)
1997年、第九回富士見ファンタジア長編小説大賞で準入選、翌年デビュー作『ドラゴンズ・ウィル』を刊行。自称・小説屋/軽小説屋であるが、ゲームシナリオ、アニメシナリオ等も手掛ける。速筆で著作多数。代表作に『スクラップド・プリンセス』『棺姫のチャイカ』『アウトブレイク・カンパニー』『まじしゃんず・あかでみぃ』『神曲奏界ポリフォニカ』『ストレイトジャケット』等がある。ガンマニアで観賞魚マニア。