ヒトラーの死後、新政権のもとで対米融和を進めるドイツ。しかしナチス残党を中心とする守旧勢力は、政権転覆を狙い、北米大陸で限定的な侵攻作戦を開始する。その陰謀の背後には、第二次大戦後の新たな世界秩序に対する各国の思惑が渦巻いていた。カナダに現れた“侵攻軍”は、駆逐戦闘重機械「マンムート」を擁し、カナダ軍戦車部隊を壊滅。アメリカ軍に対しては、放射性物質による攻撃すら躊躇しない。一方、日本では、「マンムート」を撃破可能な新型戦闘車両の開発が進んでいた。その名は「七試TD」。成形炸薬弾の破壊力を遙かに凌駕する高速噴進弾の威力をもって、鋼鉄の魔象「マンムート」を狙う。核攻撃の惨禍に見舞われたカナダの大地を舞台に、巨大な「マンムート」と小兵「七試TD」の死闘の幕が開く!
●陰山琢磨(かげやま・たくま)
1963年兵庫県生まれ。3歳のおり自衛隊の基地祭で、通りすがりの61式戦車と見つめあってしまい、初恋に落ちる。高校生の時、学祭のアンケートに「自分に似ていると思う芸能人は?」と書いてあり「ジオン軍のモビルスーツ」と答えたら、女子に変な目で見られるようになった。その後、軍事マニア(専門はAFV)を経て、1997年に『大反撃一式砲戦車隊』(飛天出版)でデビュー。架空戦記、SF小説など著書多数。