初夏の上野公園、深夜。朧月だけが見詰める蓮池のほとりで怪異な闘いが始まろうとしていた。池から姿を現わしたのは、全身に鱗を帯びた巨大な蛭、人頭蛇体のもの…異形なる妖奇獣たち。相対するは、大地の精霊を操る美貌の青年、前史の時代から人知れず行なわれてきた侵略者と守り神との壮烈な魔戦が今また火蓋を切った。美とエロスが織り成す怪奇アクション「妖麗伝」シリーズ第2弾。
●竹河聖(たけかわ・せい)
東京生まれ。青山学院大学文学部卒。ホラー、伝奇小説、ファンタジーを中心に続々と作品を発表。劇場版アニメ化もされた「風の大陸」シリーズや「巡検使カルナー」シリーズなど著書多数。