最近アミューズネットに頻出してはネットを荒らしまわる不法侵入者。その犯人を捕まえようと秘技を駆使してネットに潜り、待ち伏せした秀人と鳴琳の前に現われたのは、四年前に家出して恋人と一緒に外国へ行ったはずの擬似人格ソフト『京美Ver.1』だった。精魂込めて開発した京美がなぜこんなことを? システムハウス・ミルキーピアの名誉にかけて、秀人たちは捜査に乗り出すが……。
第7話 京美対京美 南欧の大決闘(前編)
●東野 司(とうの・つかさ)
1957年、愛媛県生まれ。横浜国立大学大学院中退。テクニカルライターを経て、1986年『赤い涙』(「SFマガジン」早川書房)でデビュー。主な著書に『ミルキーピア物語』シリーズ、『地球SOS』(早川書房)、『よろず電脳調査局ページ11』(徳間書店)、『電脳祈祷師』(学習研究社)、『展翅蝶』(エニックス)など。また、2013年子ども向け書き下ろしSFシリーズ「21世紀空想科学小説」企画立案。同シリーズ『何かが来た』(岩崎書店)。日本SF作家クラブ会員、日本児童文学者協会会員、日本文藝家協会会員。日本SF作家クラブ第17代会長。