今から一千年あまり前、遙かな伝説の時代より“輝ける者”の教えを守り伝え続けているという迦雄須(かおす)一族に、数百年ぶりに一族の指導者となるべきひとりの子供が生まれた。しかし、それはまたこの世が邪悪に満ちた暗い時代に入っていくことをも暗示していたのだった。そして二十年近い月日が流れ、平安の都を舞台に、愛する男を権勢の頂点に再びつけようとする一人の女の欲と、“鬼”と呼ばれた一人の男との出会いがいつしかこの世に邪悪を呼び込むこととなっていくのだった…。阿羅醐(あらご)との宿命の対決を中心に、九つの鎧の誕生の謎が語られる。
大人気TVアニメーションのノベライズ第4弾が、電子版あとがきを追加してついに復刊!
●河原よしえ(かわはら・よしえ)
東京都杉並区出身。株式会社サンライズで設定制作、文芸、企画を『風間洋』名にて担当。1984年『重戦機エルガイム』で脚本、1989年に企画を担当した番組のノベライズ『鎧正伝サムライトルーパー』で小説家デビュー。『神の禽』など著書多数。