悪戦苦闘の末にワニたちはカルロスを倒した。だが、カルロスは死んでなお崇るとんでもない奴だった。死体から流れ出る“闇”が人々の超能力を暴走させたのだ。死体を燃やし尽くしていったんは危機を脱したが、呪術を修めたクサフリの破滅への予感は強まる一方。かくて、ワニたちは大陸の西へ赴くことになった。破滅の原因を解明すべく、かつてこの惑星を発見した後、大峡谷に消えた無人探査船の伝説を求めて。だが、マリエや少女アンドロイドらとの珍道中は、途中、奇妙で兇暴な盗賊団との遭遇により、思わぬ道草を食うはめになるのだった……。「能なしワニ」シリーズ第6弾。
●中井紀夫(なかい・のりお)
1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワSFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、『能なしワニ』シリーズ、『タルカス伝』シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。