ワニの両親はカルロスに殺されていた。ワニは復讐を誓う。七人の頼もしい仲間も集まった。元保安官のピートは念動力を使うと絶頂感にある女性と交感し、なんでも屋のモンタナは生まれた場所へだけテレポートでき、女教師ローラは念動力で家具を動かし、牧童頭のジョニーは頭の中で正確に時をきざむ、などなど。しかも、事なかれ主義の町の人間はことごとくワニたちを妨害する。いやになるほどハンデを負ったワニは、究極の能力者カルロスに挑むのだった! さらに騎兵隊とナッツの戦い、カルロスに拉致されたマリエの運命は? 「能なしワニ」シリーズ第5弾。
●中井紀夫(なかい・のりお)
1952年生まれ。武蔵大学人文学部卒業。ハヤカワSFコンテストを経てデビューし、短篇「山の上の交響楽」で星雲賞を受賞。主な著書に、『能なしワニ』シリーズ、『タルカス伝』シリーズ(ともに早川書房)、『漂着神都市』、『海霊伝』(ともに徳間書店)など著書多数。