前知事の疑獄・逮捕で揺れるS県を恐怖が襲った。東欧の小都市のようなたたずまいの街区……彷徨える街「妖夢街(ブリガドーン)」。その街に足を踏み入れた者は、必ず黒衣の絞殺魔・影男に殺害されるという。影男の正体は? またその目的は? さらに誰が妖夢街をS県に召喚したのか? タロット占い師で、赤い魔女の稲村虹子は、警視庁捜査一課の井並警部の依頼を受けて、恐るべき謎を解くべく立ち上がった。
ホラーファンタジー、「虹のマジカル・レッド」シリーズ第2弾。
●朝松 健(あさまつ・けん)
1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。