著者の歩みはさらに競馬場の隅々、ウインズ、居酒屋へ…。そこには人の数だけ悲喜交々の人間模様があった。人々の右往左往を見つめながら、笑いと涙を100通の書簡(上下各50通)にこめる。時に優しく、時に厳しく人間を包み込む著者会心の競馬エッセイ。
●吉川良(よしかわ・まこと)
1937年、東京生まれ。芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。