新宿交番所に勤務する五人の美人婦警のところに連れて来られた、二組の男女。一方は街中で喧嘩をしていた男女、もう一方は宝石を置き引きした加害者と被害者だった。この偶然の顔合わせが意外なところで殺人事件に交差する。闇稼業を武器に事件を追う婦警たちは、そこに売買春の世界を見る。そして、その奥にはレコード会社のディレクターや作詞家、宝石商が組んで歌手希望の若い女性を食い物にする悪が蠢いていた…。歌謡界の恥部を抉る長編サスペンス。
●龍一京(りゅう・いっきょう)
1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。