白凰坊の術に操られた坤道士はツォイリンを連れて吉水都英の許、遍照寺へ向かった。だが、晦幇(フイバン)と結託した巨勢玄応は遍照寺を焼き、都英からフェイリンを奪い去っていた。フェイリンを救うため、都英と蓮玲得尼は香港へ飛ぶ。ツォイリンとフェイリンの双子をめぐって、道教の秘密教団・晦幇と都英ら仏教徒、さらに妖術僧・白凰坊が入り乱れて凄絶な争奪戦を繰り広げる。
衝撃の怪奇と幻想のアクション巨編、末弥純の表紙・挿し絵を纏い、電子書籍で待望の復刊!
●朝松 健(あさまつ・けん)
1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。