南半球の夏、ブラジル・リオデジャネイロのサンバ・カーニバルが最高潮の熱気に包まれた夜の裏で、麻薬密輸ルートを内偵していた日本人捜査官が惨殺され、その犯人も何者かに命を奪われた。時を同じくして、日本では横浜中華街のホテルにチャイナマフィア『赤い星』が襲撃をかけ、台湾人経営者を誘拐した。緊迫する国際重要犯罪捜査の前線に立つ警視庁の切れ者・五加木警視は、自らが編成した超法規特務機関の投入を決断する。若い身体を危険に晒し、四人の女豹刑事が灼熱の大地を駆け、弾雨を縫って巨悪へと迫る。長篇ポリス・アクション第2弾!
●龍一京(りゅう・いっきょう)
1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『狂った正義』(廣済堂文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)、『重犯』『虐讐』(徳間文庫)など著書多数。