警察学校へ入学して半年。北王子政彦が実務修習で交番勤務に就いたその日、轢き逃げ事件が起きた。被害者の女性は多額の借金があったにもかかわらず銀行でローンを組み、中古車を購入していた。だが、肝心の車が見当たらない。一方、追跡した白バイ警官と共に事故死した加害者は覚醒剤の常習者だった。二人の関係は? 先輩と聞き込みを始めた北王子だが、その途中、第二の事件に遭遇する…。
●龍一京(りゅう・いっきょう)
1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『狂った正義』(廣済堂文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)、『重犯』『虐讐』(徳間文庫)など著書多数。