札幌から十六時間の長旅を終えて上野駅に到着した『北斗星2号』の個室寝台で、全裸の女性死体が発見された。被害者は17歳の高校2年生で、夏休みを利用した北海道旅行の帰途に、何者かに首を絞められて殺されたらしい。現場に残された携帯電話の記憶装置から被害者の交友関係を調査した結果、四人の容疑者が浮かび上がった。だが、彼らは女子高生とは不釣り合いな社会的地位のある男たちだった…。
錯綜する謎と凶悪犯人を追う若き捜査官の活躍を描いた長篇ミステリ、「鉄道捜査官」シリーズ第2弾!
●矢島誠(やじま・まこと)
1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。